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概要

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第8回佳作100億人に迫るものと予想されているOこのような急速な人口増加の中で、なお地球環境のバランスを維持しながら、今日の生活水準を、著しく低下させることなく、人類の発展を継続させていくことは、非常にむずかしい問題である。それを可能にしていくためには、単に各国の利害の調整やさまざまな制限を行うだけでなく、その基本枠組みである,資源使い捨て型の産業や社会の仕組みをも、大きく修正していくような対応が必要である。それには、工業の進歩と共に、これを支える形で発展してきた、今日の科学技術についても、その解決に必要な分野の充実を、積極的にはかっていく必要がある。産業革命をきっかけに、さまざまな発明や発見が行われ、19世紀の後半からはそれを受けて、各国の高等教育機関の場において、科学技術の体系的な研究や、技術者の育成が積極的に行われるようになった。その結果として、この1世紀の間に、科学技術の進歩と工業型社会の目覚ましい発展が達成されたoLかし21世紀に向け、今日の工業型社会から、豊かで安定した成熟型社会-のスムーズな移行を行うためには、世界が互いに協力Lて、環境問題など緊急課題の解決を実践しながら、そのために必要な科学技術の発展と、人材の育成を早急に行う必要がある。国連大学は、設立当初より、その憲章の中で「人類の存続、開発と福祉」に関する問題の解決を掲げており、純粋な学問分野の研究より、問題志向型の学際的な研究を目指している。21世紀に向け、工業型社会から成熟型社会-、世界文明の質の転換をはかっていくことの重要性を考えると、そのための新たな科学技術の研究の国際的なセンターとして、国連大学の役割は非常に重要であり、今後の活躍が期待される。また、これらの問題は、いずれも工業技術の急速な進歩と、それに伴う経済力の増大の中で生じたものであり、その解決は、経済の繁栄の中で、豊富な物やサービスに支えられ、快適な生活を送っている日本にとっても、大いに関連している問題である。このため、これまで積極的に、国連大学の充実に協力してきた日本は、その研究活動の面においても、その貢献に努める必要があると考える。989