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概要
satoh
第8回優秀賞て捉えながら､人と人とが出会う場における主体性や感情をテーマとして､その理論体系を再編してきた｡このように人と人の出会い､あるいはそこにおける関係というものは､ミクロ･マクロの違いはあるにせよ､諸学問におけるテーマと密接なかかわりを持つものと思われる｡その意味において､人と人とが出会う場としての民族､国家､歴史､あるいは国際情勢というものに対して､臨床心理学的手法が何らかの働きかけをすることができ､世界平和に貢献できるとすれば､それは第五章で述べたように他の関連する諸学問との連係があって初めて実現するものと思われる｡諸学問が目指すもの､それは人間の存在とその理解ではないだろうか｡その目指すもののために､他の研究者たちと力を合わせて研究を積み重ね､それが個人の平和や､世界の平和に少しでもつながれば､研究者にとってこんな幸いなことはない｡981