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概要

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社会学の専門家の援助が必要であろう。そして第三段階は、第二段階と平行して進めてよいと思われるが、国連大学の呼びかけによる世界平和賢人会議の開催であるOこれは多くの人に参加してもらうために、定期的に繰り返し行う必要があるだろう。またこの会議はエンカウンター・グループ方式で行い、訓練されたフアシリテ-タ-が、参加者個々の感情を尊重した介入を行うことは言うまでもない。ましてこの会議を出発点として、国際紛争場面や、人種・宗教・民族的な対立の場面にフアシリテーターを派遣するという構想を具現化していくことができるであろう。このような活動を推進していくためには、国連大学においてこれに専念する機構が必要であると患われる。そのためには、国連大学平和心理学研究所と平和心理学センターを設置することが望ましい。これが、個人や民族の、アイデンティティ確立の危機における感情的対立としての、国際紛争に介入するための具体的方法を、国連大学が研究し、実施し、普及するためのモデルである。第六章結語に代えて-諸学問の目指すもの-19)文化人類学者の米山俊直は、その著書の中で、「人、ひとに会う」と越して、我々は文化を通して他者との出会いを模索していると指摘し、我々は文化のせめぎ合いを地味な研究を積み上げ、事実を呈示することで超えていくしかないと述べている.彼は学問のテ-マを、究極的には個人(としての自分)が個人(としての他者)に出会うことに置いている。臨床心理学も、その理論的基盤である、精神分析学、学習理論、人間性心理学がそれぞれ行き詰まる中で、新たに発達心理学や認知心理学の成果を取り入れて、人間を全体とし980