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概要

satoh

第8回優秀賞教え込まれたに違いない.それが今、骨ばった老活動家の手を握りしめたまま、ほほ笑みを交わしている。ANCが非合法化された30年前には、想像さえ出来なかった光景だろう。=・何と言うときの流れ。ANCと南ア政府は今、対話による問題解決の道を歩み始め・・「制度」としてのアパルト-イトはぐんぐん崩れているOだが「意識」の問題となるとそうはいかない。原因のひとつには、白人があまりに黒人を知らないことがある。 .・だが、互いにひざを交えて話し合えば、分かり合える部12)分があるはず- 0 -別れの光景を見ながらそう痛感した。これは人種や思想を超えて、個人と個人が自らの感情と意思によって出会い、相互理解を深めた例である。このような和解と歩みよりが生まれてくるためには、人々の意識が、関係が、制度が、長い時間をかけて変わっていくのを待つしかないのだろうかo臨床心理学的手法による介入によって、これを促進していくことはできないだろうか。これが前章の問いでもあった。カール・ロジャース(CarlRogers,1902-1987)の展開したエンカウンター・グループ運動は、このような出会いを促進する具体的な方法として我々に可能性を与えてくれる。エンカウンター・グループとは、元々はカウンセラー等の訓練のための技法で、小集団(8-12名程度)による話し合い形式で集中的に行うものだが、現在は訓練に関らず一般の人のための自己理解、自己成長や他者理解など人格成長や対人関係改善のための集団技法として、あるいは神経症や精神障害の治療技法として、幅広く応用されている。このグループではLI-ダーのことをフ7シiJテータ-と呼ぶが、これはフアシリテ-タ-が、グループの中でメンバーの人間関係を促進していくうちに、究極的には自分もメンバーの13)一員となるようなグループ(メンバー)中心の運営を理想としているからである。エンカウンター・グループ運動は1960年代から70年代にかけての米国における人間性回復運動の中で、「人と人との出会い」をテーマに盛んになり、1980年代には下火になってきたといわれる。ロジャースはエンカウンター・グループの社会的意義を高めようと先頭973