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概要

satoh

第8回優秀賞危機管理に対する国連機関などの対処の仕方である。ここでは、全世界的緊急課題となりつつある地球環境破壊の問題を取り上げてまず後者の問題について考察してみる。地球環境問題に対処する国際機関として、国連が主導している国連環境計画、地球監視計画、国連環境開発会議などが精力的に活動しており、さらにサミッtの場で先進国間の地球環境-の取り組みの必要性、あるいは開発途上国間の国際会議でもそれぞれ熱心に討議してい(19)ることが報告されている.一方、各国の専門研究者の間では単一の危機に対する発生のメカニズムや対策の方針などが研究されている.だが、これらの国際機関と専門研究者だけの活動で、実際問題として地球環境破壊を防止することがはたして可能なのであろうか。危機管理のこれまでのあり方に重大な盲点が存在している可能性があるoすなわち、人類生存の危機は互いに関連しており、また複合・連鎖して危機そのものを複雑化している。地球環境問題を取り上げて、その危機回避の対策を着実に行うことは重要な施策であるが、地球環境問題だけを単独に論じても複雑化している危機全般を根本的に解決することが困難になりつつある現状にこそ目を向けなければならないと思われる。図1に地球環境問題を主眼点にして、食料問題、疾病問題、経済問題さらに先進国と発展途上国の南北問題との関連を考察するとき、人類の生存に関わるそれぞれの危機間における構図の複雑性にこそ、解決を困難にしている本質的要因が存在することを理解しなければならない。地球環境破壊に対処するためには環境保全問題を直接的に解決の方向-押し進めることも必要であり、この活動に参画されている上述の機関の仕事または地道な草の根的括動をされている多くの人々に対する敬意を表することこそすれ、決してその活動を否定するものではない.しかしながら、これら多くの危機は複雑に連鎖・複合しており、一つの危機[おけに着目したのでは、問題の解決にならないことを本論文では主張するものであるO●■●●●■i例えば地球環境保全の一部の問題だけを性急に推進しすぎると、発展途上国の工業化遅滞の問題を引き起こし、この間題は先進国との累積債務の返済を困難にし、またこれに開通して食料生産力の低下に起因する飢餓が拡大することになる。逆に、地球環境保全の対949