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概要

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第7回佳作ていると、ヨーロッパやアメリカでも新しいライフスタイルの動きがあるL、第三世界のイランなどでも非西欧的な価値をもとにした、新しいライフスタイルを模索し始めているので、日本が遅れてしまうこともありうる。まあ、しかし、遅れることを気にすること自体、工業化の原理に汚染されている証拠かもしれないOたいせつなのは、西欧の人々とも、第三世界の人とも、互いの体験、互いの実験、互いの美的創造力を分ち合い、多様なライフスタイル創造の知恵を獲得することだと思うo」(P.161- 2)との言葉も、行きつくところは同じであろう.ただ気になるのは、これらの主張がすべて'80年代のものであり、現実にはむしろ逆方向に向っているような悲観的要素も少くないことである。しかし、冷戦後の新思考が模索されてLrlる今日、人間の理性を信ずるならば、やはり八人はこれらの道を何れ厳しく選択するものと思われ、シビル・ミニマムも絵空事ではなく、国連大学の作業の成功を基にする国連活動によって目的は徐々に達成されていくことに期待せざるをえない。このばあい、一つの手近な方法として、前述の日本的モデルを作成することも一案ではなかろうか。ただ断っておきたいのは、一般に自国の特殊性を他国が尊重してくれることはともかく、自らの特殊性に陶酔することは、地球社会での生活ではマイナスであることである。としても、シビル・ミニマムを地球的規模に積み上げるためには、このことは特殊性を普遍性に高めるための一段階として許されるべきであろう。そのために、日本の有するカネ・モノ・ヒト・チエのすべてを思い切って投入することこそ、世界に貢献できる平和主義の大国日本の責務であり、ひいては国連尊重の基本姿勢であると同時に、国連大学の役割を促進する最良の機会であろう。ここで声を大にして訴えたいのは、この国連大学の本部が、日本に存在することであり、これまさに大いなる天意とでも言うべきことである。909