ブックタイトルsatoh

ページ
910/1034

このページは satoh の電子ブックに掲載されている910ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

satoh

る。そのために最先に取り組むべきものは、まず最貧国から始め逐次全地球にまで及ぼす地球的シビル・ミニマムの確立が、「急がば回れ」式ながら、長期的な社会的安定から平和に通じる一里塚であることに注目してきた。同時に、この作業を続けることが国連大学のもつ最大の役割であるとも言える。ここで視点を大きく転じて、このモデル作りの手がかりとして、いささか唐突なようであるが、身近な日本についてまず考えてみるのもあながち無駄ではないように思われる。この思いつきは、ガルブレイス教授が『ゆたかな社会』の日本版-の序文の冒頭で、「日本人は経済学と政治学の研究については世界で最もコスモポリタンな国民」と述べていることにヒントを持たのである。たしかに日本は、シビル・ミニマムという地球的課題を志向するライフスタイルの研究には最も適Lているように思われる。また、批判も多いが、日本社会の平等性・大衆性・均質性といった特性もミニマム策定作業には最もなじみ易いものであろうOさらにシビル・ミニマムの達成のための一大難問として前述した原資については、豊かな国の浪費部分や平和の配当を重視する時、注目したいのは、ある座談会でイヴァン・イリイチ氏が「もし、その気になったら日本は自発的に浪費を減らすことができる.快莱主義と美意識、つまり自らの生活を楽しむために消費を減らすことができる. ・.-私は簡素さの中に美的価値を見出だせる日本に、モデル社会づくりのリーダーシップを期待する。」(『朝日新聞』'80・12・23)との発言も注目できる。もっともこのときの主旨は、「生活の豊かさ」を問うものであったが、街示的浪費を戒める点では私の言わんとするところと同一である。このように豊かな国でも、新しいライフスタイル作りを試みること・が、私の提起した問題解決-の手がかりとなることは、単に物質面のみでなく、精神面でも等閑視できない。前出の『飛糊する日本人』で武者小路教授軒千日本のほうが、日本の中にあるものも、第三世界から学んでくるものも含めて、西欧以外の価値をたいせつにすることによって,新しいライフスタイルをつくってい(可能性があるような気がする。だけど、うっかりL908