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概要

satoh

らに重要なことは、地球上の限られた資源を前提としてミニマムとマキシマムをどの線に設定し、人々の合意をとりつけるかである。ところで「一国の絶対的貧困をいかなる指標によって代表させるかについて」定説があるわけではない。しかし貧困国の貧困層にとっては、食糧こそが最も基礎的なニーズであるがゆえに、これらをもってその指標とするのは不自然ではないoすなわち、ある(最低の)必要カロリー量を含む食糧を購入できる一人当たり月額消費支出水準を、貧困線と考えるのであるo世界銀行は、バングラデシュのその値を1805鍔とした.もちろん必要カロリー量は年齢や性によって一棟ではない。その数値は1970年の年齢別、性別人口構成によってウエートづくりLて計測されたものであるo」(渡辺利夫「鼻糞開発途上国の課題は何か-バングラデシュに見る経済的貧困の構図」『ェコノミスト』'84・5・1/8号P,77)という資料も参考にはなるが、現在ではその数値はもう少し高く見積らねばなかろうか。蛇足のようであるが、この例と対照的と思われるものに、世界で最高と見られるアメリカの場合、「主観的な貧窮の境界はアメリカ家族の平均所得の半分」とした故A ・M ・オーカン氏(『平等か効率か』、 E]経新書、1978年、P.127)の示した基準はマキシマムとしての一つの目安となるのではないか。現に、年金生活者の私が受給する厚生年金の額も大体その線に沿っている。唐突ながら、いまここまで書いてきて思い出したことがある.それは、地球上の限られた資源を考えるとき、ヴェブレンの言う街示的消費的な欲望の基準を下げて、これに優先順位をつけるという立場から興味ある研究があったことである。それはやや古い調査であるが、フランスの経済学者で'90年5月欧州復興開発銀行(BE-RD)初代総長に就任されたジャック・アタリ氏が述べているように、アメリカの若い三人の経済学者の研究によると、「アメリカの国民総生産一兆ト?ル-1972年-のうち、実質的に差引かれるべき社会的空費として計算されるべき部分は日動車生産900億ト?ル、国防費780億ト?ル,広告宣伝費180億ト?ル、高速道路建設費600億ト?ル、宇宙産業40億ト?ル、行政管理費40億ト?ル、純工業設備投資600億ト?ル、家計消費のうち無駄な支出部分とみなされる部分2300億ト?ル、904