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概要

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歩」「人口エネルギーと福祉」は、いうまでもなく人類にとっていずれも重大なテーマである。国家間の対立、紛争、戦争の原因に依然として、価値のぶつかりあいという側面があるとすれば、人間の普遍的な価値というものに正面からぶつからなければならない。価値観の一元化に陥る可能性を考えれば、極めてきわどいテーマとも言えるが、これは避けて通れない。こうした根源的、本質的テーマに、特定の学派が取り組むことは危険でしかないが、多様な価値観を重んじてきた国連大学だからこそ、挑戦すべきテーマであり、この分野の研究成果も期待したい。さらには「人権と平和の関係」、「人権と開発の関係」について新しい視点を取り入れるための研究など、国連大学に期待される研究課題は多い。おわUに-普遍性と多様性の両立-こうした研究課題に取り組むとき、多くの学問領域や思想を背景とする科学者・研究者を結ぶ「知のネットワーク」に支えられた国連大学の多様な価値観の調和、調整という機能の有用性は高い。欧米先進国の研究に偏らない、より多様な地域の、そしてより幅広い学問領域の研究成果の結集こそが求められている。末だ国連で使用される言語も議事手続も、欧米先進国中心に決められている。確かに欧米の学問的水準は高い。しかし、欧米の研究者が主導して作った理念が絶対だということにはならない。アジア・アフリカをはじめとする第三世界の研究の発展と、世界的普及が一つの懸念である「知の帝国主義」に対する最大の防御となるのかもしれない.国連の大国支配、先進国支配を防ぐためには、小国、発展途上国の立場からの多様な研究を発展させ、その成果を広く普及させなければならない。米国人学者の安全保障論に慣れていた私にとって、例えば第三世界の研究者の論文を中88占