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概要

satoh

第7回優秀賞追求する」という研究領域も、極めて重要なテーマである。紛争の原因についてはすでにふれたが、冷戦終結後の大国間協調の時代の紛争原因の核心に迫ることは、今後の国連大学の研究テーマとして重要なものだと思われる。国際環境の変化とともに国連の平和維持手段の力点の置き方も変わらねばならないはずであり、この観点からも安全保障に新しい発想を大胆に持ち込む役割を国連大学も担えないだろうか.今年(九一牛)に入り、社会党は「国連平和協力機構設置法案」を発表、非軍事・民坐分野の文民によるPKO -の日本の参加のコンセ./サスが形成されつつある.日本の国際貢献-の期待が高まる中で、これは大きな進歩ととらえていいが、平和維持面での国連-の協力がPKO参加によらねばならないと狭く考える必要もないはずである。国連の平和維持機能として「ピース・キーピング」に加え、「ピース・メイキング」や「ピース・ビルディング」の必要性が唱えられている今日、「共通の安全保障」を重視すべく、社会・経済問題の解決を含めた包括的な平和維持機能の概念を探しあてるための国連大学の役割に期待したい。国連憲章第九章第五五条bの「経済的、社会的及び保健的国際問題と関係国際間題の解決並びに文化的及び教育的国際協力」を促進するための国連の組織は極めて複雑多岐になってきているが、その責の目的たる「平和的かつ友好的国際関係の創造」のために、いかに国連組織の非効率を避け、効果的に機能させるかが改めて問われている。新しい国際安全保障に合致した、多角的国際協力の在り方についての研究も、国連大学に期待したいoこのことは「負の遺産」を抱え、自ら課した平和憲法の拘束下にある日本が、グローバリズムの時代にそぐわない「一国繁栄主義」、「一国平和主義」に陥らず、しかも古典的な大国(軍事大国)化することなしに、十分な国際貢献できる具体的領域と手段を見つける上で極めて重要な課題といっていい。国連大学第二次中期展望(一九九〇年一九五年)の間顎領域である「人間の普遍的な価値と責任」「世界経済の新たな方向」「地球の生命維持システムの保護」「科学・技術の進885