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概要

satoh

の意味で、国連における米国主導が確保されれば米国は親国連に傾き、逆に確保されなければ反国連ないし国連離れに傾くという傾向は容易に変化しないとも見られる。米国が支持しない国連は、機能という点からすれば大きな欠陥であり、その意味では米国がある程度滴足して国連外交を進められる環境は必要であるOだが、国連は機能すればいいのではなく、どう機能するかこそが問題である。ウイルソン的理想主義か権力政治肯定の現実主義か、リベラルか保守か、多国間協調行動か単独行動か、国際主義か孤立主義か、親第三世界か反第三世界か-といったいくつかの座標軸を立てても、国連を重視するブッシュ政権のスタンスを明確に位置付けることが困難になっていることは重大である。相対的衰退化の傾向にもかかわらず新たな国際秩序形成にリーダーシップをとろうとするブッシュ政権には、大国協調、勢力均衡を重んじる現実主義的側面もあれば、第三世界の開発による世界経済成長の椎持や多国間協調を重んじるグローバリズムの側面もある。例えば、八八年にブッシュが、国連大使に親第三世界の人権派外交官といわれるピカリング氏を指名したことは、国連における親第三世界の態度をうかがわせてはいる。ここで、我々は国連創設に深くかかわったフランクリン・ルーズヴェルトに対する評価が未だ分裂していることを想起しないわけにはいかないoJ1--ズヴェルTl大統領は「国際連合を支持したとき、 yt四人の警察官Iの観念を拒否しなかった。彼はウイルソンではなく、大国の力の政治を信じていた」(B・J・パーンスタイ./)という見解と同時に、ルーズヴェルトにはウイルソン的側面が確かにあったという見方とがあり、ブッシュ政権の二面性と共通点があるからである。では、国連重視を支えるソ連の外交理念についてはどうか。確かに、前述したゴルバチョフの論文でも表現されているように、ソ連の国連政策にも多国間協調、グローバリズムの理念が見てとれる。ゴルバチョフが国家間の相互依存関係の拡大を認識し、発展途上国-の援助を含む経済安全保障、環境保護と資源の合理的利用についての環境安全保障の実現についての国連の役割を強調した点は、地球的規模の安全87占