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第7回優秀賞る.また、同報告でかかげられた中山的テーマの「持続可能な開発」(世代間の公平)と「地理的に公平な開発」にも注目する必要がある。近くは、1992年に予定されている国連環境開発会議の成功-向けて、また、中期的には、第4次国連開発の10年(1991年-2000年)を実り多いものとするために、国連大学による真剣な研究が期待されるOこの方面の研究では、「環境と経済開発」という視点から、-ルシソキにある国連大学世界開発経済研究所(WIDER)の役割は大きいだろう。また、地球的変化の自然科学的側面が、国際学術連合会議(ICSU)主催の、地球圏-生物圏国際共同研究計画(IGBP)によって研究されているが、これを補完する国連大学の大型環境プロジェクト「地球の変容の人間的2)側面」(HDGC)が成功することも重要である。第3に、多元的普遍主義に立脚した、21世紀における世界的な福祉社会のビジョンを提示することが重要である。多元的普遍主義とは、自己のみならず、他者の発展をも認めて各自が持つ、文化的価値と能力に応じた発展を認め、人類の総合的存続をめざす立場である。こうした前提のもとで、来世紀においてどのような形で、すべての人類が文化の享受、人権の確保、健康の維持、必要な情報のアクセス、をし得るのかを、トータルなモデルとして示す必要があろう。この研究については人文・社会科学と自然科学との積極的な学際研究のつみ重ねの中から多大な成果をあげてもらいたいと願うものである。第2節研修活動のあり方内田孟男によれば「国連大学の奨学金を受けて研修を受けた者は、現在までに千名をこえているが,国連大学が発行する証書と名簿以外、とくに国連大学研修生としての同窓会3)やコンタクトはない」という。そこで、いくつかの提案をしたいo第1に、今後は、途上国の若い研究者だけでなく先進国の若手研究者(大学院博士後期課程学生を含む)も研修生として受け入れる。また、その際、選抜の上、国連大学の奨学金を与えられた者は、「ウ・タント・フェロー」の称号を授与する。第2に、研修の形態としては、従来のせまい学問分野の枠にとらわれず、今後とも、課注2)WorkinProgress,vol.12,no,I,UNU,190注3)内田孟男「社会科学の国際ネットワーク」『新国際学Ⅱ』p.271、有情堂高立社、1991 8占5