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概要

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第1節研究活動のあり方上記のような現状をふまえて、今後の国連大学の研究活動のあり方について考えておきたい。憲章にもとづいた国連大学に期待される研究領域は案に広く、人類のすべての問題を網羅しているといっても過言ではない。しかし、冷戦後の国際関係がきわめて不安定で、緊張と対立がまぬがれないことが判明した以上、おのずと研究課題のプライオリティも明らかになりつつあるのではないだろうか。第1に、国連大学は、これまで人類が経験したすべての戦争・地域紛争を徹底的に分析し、紛争の原因を精密にとらえ、紛争防止のための社会的条件を正確に明らかにし、具体的な平和政策-の提言作成-と完成させなければならない。これまでの国連大学「平和と世界変容」プロジェクT.の成果をふまえて、新たな中期展望の中の「普遍的人間価値と地球的責任」のテーマのもとで、国連大学による紛争の原因分析と防止のための研究が1日も早く結実することを願うものである。この研究の実施にあたっては、 El本国内及び海外の平和研究機関との協力はもちろんのこと、国際平和研究学会(lPRA)や国際平和科学協会(PSSI)との協力が行われるべきである。渋谷にある東京・国連大学本部がこの研究のための一大センターとして機能するよう望みたい。第2に、国連大学は、人類が共通して、その解決を求めている、地球的規模の諸問題について、明確な処方せんを書かなければならないOとりわけ、オゾン層破壊や、地球温暖化といった環境問題はきわめて深刻である.また、1972年のストックホルムでの国連人間環境会議で環境という言葉が広義にとらえられ、「人の行為によって、もたらされる物理的および生物学的な自然環境の変化と、その変化が人に与える影響」と解釈され、今日にいたっていることに留意しなければならない。その後、「尊厳と福祉を保つ忙足る環境」というスローガンの下、「開発・人権・資源・環境」といった総合的アプローチが採用されるようになっている.もはや、環境か開発かというような二者択一的な発想ではなく、双方とも推進していくことが求められている。1987年に発表されたいわゆる「プルントラント報告」では、環境と開発は、表裏一体であり、環境は開発の基盤であるとされてい8占4