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概要

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第7回優秀賞ある。国連憲章によれば、国連の最大の目的は、「国際の平和と安全を維持すること」である。もうひとつの大きな目的は、「経済的、社会的、文化的または人道的性質を有する国際間題を解決する」ための国際協力を達成することである。ここではこうした3つの責務を国連の活動分野との関連で考えておきたい。第1項国連の安全保障活動のあり方国連憲章24条によれば、安全保障理事会が「国際の平和および安全の維持に関する主要な責任を負い、この責任に基づく義務を果たす忙当たっては加盟国に代わって行動する。このように安全保障理事会は平和と安全の維持に関する限り総会に優先する責任を与えられており、国連による安全保障活動のあり方を考えるに際しては、この安全保障理事会のあり方を考えることが重要である。安全保障理事会の任務と権限に関して特に重要なものは、憲章第6辛(紛争の平和的解決)と第7章(平和に対する脅威、平和の破壊、侵略行為に関する行動)に規定するものである。軍事的強制措置のために安全保障理事会はあらかじめ加盟国と協定を結んで必要な兵力の提供を約束させておき(43条)、軍事的強制措置を決定するや直ちにこれら提供兵力を利用することが国連発足当初想定されていた。しかし、その後の米ソの冷戦のため兵力提供の態様に関する米ソの合意が得られず、ついに憲章が考えていた国連軍は実現しなかっ良(朝鮮戦争の際の国連軍は、安全保障理事会の勧告にもとづいて16か国が自発的に提供した軍隊からなっており、憲章のいう本来の国連軍ではない)。しかし、国連は、現実の必要から憲章の予想しなかった国連平和維持軍制度を作り上げた。国連平和維持活動は1960年代から非常に大きな実績を誇っているが、それについては憲章の規定がない。冷戦後のステップとして、まず、この既成事実として走り出している国連の平和維持活動を国連憲章の中に成文化すべきである。今回の湾岸危機においても、大陸法の法休系の流れをくむ日本では、憲章に明文がないために、平和維持活動に対して迅速に対応することができ859