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概要

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第7回優秀賞一方、冷戦構造の終鳶がもたらした国際関係は、米ソの均衡によって維持されてきたこれまでの世界体制が崩壊したことを意味する。そこでは、EC統合に代表されるような世界のグローバリゼーションとはうらはらに、今まで抑えられていたナショナリズムが多くの地域で噴出してくるおそれがある。その典型が今回の湾岸危機と言えるかもしれない。緊張緩和によって破られた均衡は、おそらく、次のような、世界に存在する不均衡をもより明確にうつし出していくことになろう。すなわち、国内間のインバランス(人権抑圧等)、先進諸国間のインバランス(貿易、投資摩擦等)、先進国と途上国とのインバランス(飢餓や貧困等)、現世代と次世代のインバランス(地球環境問題等)が深刻になる可能性がある。今世紀をふりかえるならば、西側先進諸国において、社会主義的要素がかなり取り入れられ、生産力が発展し、貧富の差が小さくなる場合も多々あった。しかしながら、そのことは、あくまで国内的な状況であって、国際的には、自由貿易が声高に唱えられ、基本的には典型的資本主義であった。そこでは、市場原理、資本の論理だけがはたらき、国連をはじめとする多くの国際機構が努力をしたにもかかわらず富は偏在し、富める国はますます富み、貧しき国はますます貧しくなっていく状況であった。1990年7月に開かれたヒューストン・サミットは、「民主主義の確保」と還した政治宣言を発表した。そこでは、アルシュ・サミットからヒューストン・サミットまでの1年間に生じた世界各地での民主化の実現を歴史的な前進ととらえ、今後の10年を「民主主義の10年」となるべき時期であると規定しているO今日、「民主化」という場合には、東側諸国も含めて、政治運営上の制度だけでなく、経済的自由や市場志向型経済といった側面をも含んで考えられているoこのような流れの中で21世紀を見通せば、市場経済の定着をはかって民主化を促進させていこうとする動きが今後ますます強まっていくことが予想される.そうした方向性は、必ずLも国際的な安定性をもたらすという保証はなvloむしろ、スムーズに民主化-の移行を果たして経済的成功を手にした国とそうでない国との格差が発生することにより、国853