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概要

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第1回佳作互依存が強まれば強まる程、波及してくるインパクトも強くなるであろう.従って、ある国家の経済活動に何らかの実質的な関わりをもっている人々、つまり国民の一人一人は、自国経済の相互依存性を自覚し、その波及のパターンを認識していることを求められるだろう。ことばをかえれば、相互依存のシステムにあっては、そのゲームに参加しているプレーヤーの一人一人が互いに依存し合っており、自分の行為が他者にどのようなインパクトを持っているのかをたえず考え、気を配ることをしないと成り立たないものなのであるoここでのプレーヤーたち一人一人に要求されることとして「学習」ということが浮上している。この学習は南北を問わず、先進国の人々にも、途上国の人々にも相互に要請されていることだと考えるべきであろう。そして、言うまでもなく、この学習にとっての主要な関心は開発である。しかもそれは人類全体を対象とした総合的な開発でなければならない。過去20年に及ぶ試行錯誤を経て、第三次の「国連開発の10年」がスタートせんとしている今、その学習の方法、つまり開発教育を再考する時機が熟したのではないかと思われる次第である。さて、この開発教育ということばは決して新しいものではない。1960年代の後半から70年代にかけて、途上国で発展のための教育刷新運動がかなり広く行われ、特に植民地時代の残存的・保守的教育システムの撤廃、民族主義高揚、そして技術的教育に重点が置かれたことは周知の通りである。ただ、現在よく使われる「もうひとつの開発」anotherdevelopmentということばが端的に示す如く、その当時の「開発」ということばに含まれていた内容と現在、常識的に用いられている「開発」ということばの内容との間に若干のずれがあるかも知れない。その辺のところもできるだけ本稿において論及してゆきたいと思っている。とりあえず、開発教育を二通りの表現に分けてみることができよう。ひとつは開発のための教育(EDUCATION FOR DEVELOPMENT)、そして、もうひとつが開発教育(DEVELOPMENT EDUCATION)である。前述の途上国における教育刷新運動は概83