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概要

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第1回佳作「開発教育の再構成をめざして」一人間と社会の開発のために-渡辺頼純要約まず開発教育をその内容から二つに分類することができる。一つは、「開発のための教育」Education forDevelopmentであり、もう一つは「開発教育」DevelopmentEdtlCationである。一般には、前者が発展途上国向けのもの、後者が先進工業国の人々のための啓豪に資するものという具合に考えられる傾向があるが、実際に開発が、単に経済的な向上、都市化社会-の移行だけを意味するものでない以上、開発教育をこのような二分法dichotomyで考えることは、むしろ現実に即していないと言えるだろう。本稿では開発を経済的な向上・貧困の絶滅に加えて「人間の尊厳に対する尊敬、より大いなる安全、正義、公平さ」などを含む総合的な人間存在に関する概念として捉えている。従って、このような開発は途上国の人々だけのものでもなく、また、先進国の人々のためだけのものでもなく、まさに人類全体にとっての課題であると考える。ここで、重要となってくるのは、この開発の問題が人類にとって共通の課題であることを、広く人々に認識してもらうことである。とりわけ、今日のように相互依存性がたい-ん高まった国際社会にあって、その構成員の一人一人が、このような開発の概念を共有し、かつその実現に向けて努力することは,たい-ん意義があると言わざるを得ない。何故なら、そのような意識化のプロセスとしての開発教育を通じて、真の国際理解・協調が可能となり、これが国際社会における平和にも積極的に結びついてゆくからである。これ77