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概要

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づくものであるだろう。これらのプログラムが成功裏に進展することを期待すると共に、その一方でさらに幅広い、たとえば南北問題にかかわり、さらにこれを超える、「宗教的対立」や「差別」「憎悪」の解消など、心の問題にまでプログラムのネットワークが展開されることが期待される。科学・技術の進展と国連大学今日の科学・技術の進展はめざましいものがあるが、それはこれからの国際社会にも大きな間蓮を投げかけている。私たちは、今日の文明が、いま大きな転換期にさしかかっていることを感じるのであるが、そのためにも、私たちの文化的基底そのものが新しく問い直されなければならないと思う。私たちはこれまで、あまりにも人間中心的、自己中心的、物欲的、拡張主義的な社会のなかに浸りきって生きてきたのではなかったろうか。「生活の質」といわれる問題も、生活の高度化、洗練化という側面からだけ考えられてきたが、それよりも、自己規制的、生活の内面的革新という面も含んで検討されるべきときが来ているのではないか。ここでは、人間と自然環境、さらに人間システム相互の調整に当たって、東洋には伝統的な平常心とか「足るを知る」という知恵があったことを思い起こすことも意義があるだろう。従来、進歩という概念は、西欧の産業革命に端を発する近代化の流れに沿って、その進展と成熟をもって基準としてきたが、その行き着いた姿が今日の文明社会であるなら、その行き詰まりは明白であり、方向の転換が模索されはじめたいま、西欧からさえ東洋の思想や哲学に熱い視線が向けられるようになったことは故なしとしないO「国連大学」は、これらの趨勢を正当に評価し、文明の転換がよりスムーズに、より効果774