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概要

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によって推進されている。さらにそうした活動から生まれた情報が、研究会、セミナー、出版などを通して広く一般に普及される」。現在、私たち人類が直面している困難な課題の解決や窮境の処理は,断片的な方法や研究をもってしては不可能で、学際的、あるいは民際的アプローチによってのみ問題が適切に検討され、見通しも得ることができるのではないか。「国連大学」は、ここでもその機能を十分に生かし、世界の英知を効果的にネットワークして、広く問題の所在を明らかにし、研究の成果を結集して、破局を回避する有効な解決の道を探るセンターとなることが期待されるのである。「南北問題」と国連大学これからの国際社会が、混迷と流動化の度合いを深めながらも、全体の趨勢はやはり、新しい国際秩序を求める方向にあると思われる。そしてこれを推進する主要な力となっているのは、「南」のいわゆる開発途上国なのだということができる。国連の加盟国をみても、一九四五年の発足当時わずか五十一か国に過ぎなかったのが、今日では百六十か国に達しており、後から加盟した国の大半は開発途上国である。これらの国はいずれも、独立する以前は、他国による支配、とくに西欧の植民地だった歴史を持っている。一九七〇年代に入って国際社会の多数派となった開発途上国は、先進諸国に輸出する一次産品は安いのに、輸入する工業製品は高いという交易条件の悪いことや、先進国の景気の動きに自分たちの国の経済も左右されることに不満をつのらせていた。そして「北」の先進諸国に対して、貿易上の仕組の改変や援助の拡大を要求し、資源に対する主権の確立を主張していたが、こうした「南」のナショナリズムの爆発の一つが、一九七三年、アラブ産油国の石油戦略の発動による、いわゆる「石油ショック」であっ772