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概要

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る、自主独立の研究機関でなければならなかった、ということであろう。このことは、「国連大学」の性格と、その基本的な役割を考えるうえで、大きな意味をもつ。「国連大学」は、国連の一研究機関には違いないが、同時に、それはやはり「大学」なのである。大学というのは、本来、自主独立の立場に立つものであって、自由の立場を守りながら研究を進めなければならない。今後の国際社会が、ますます混沌の度合いを深め、平和で調和のある新しい国際秩序を求めながらも複雑に流動化し、大小の対立や摩擦が一層強まっていくことが十分予想され●■るだけに、「国連大学」が国連の理念にのっとり、その目的に沿って、どのような政治的圧力や利害にも左右されることなく、常により高い全人類的立場と広い視野をもって研究を進め、その成果が国連の諸機関の活動に反映・活用されることが期待されるのである。こうして、「国連大学」は、今後の国際社会のなかで、重要なリーダーシップの役割を果たすだけではなく、さらに、人類の前途を誤らないための、確かなコントロール・タワーの役割をも担っているのである。「宇宙船地球号」と国連大学これまでの国際社会を構成する国や地域は、それぞれの歴史や伝統、風土、国民性などさまざまなワク観や、からまり合う諸要因のもとに、主権国家-のロイヤリティを基軸とする体系であったが、一方では、次第にその自己閉鎖的、孤立的、排他的集団の殻や束縛から脱却して、より広い共同体-と向かわざるをえない状況も生まれている。すでに第二次世界大戦後、国家主権を超えた大きさの問題が次第に目立ちはじめていたが、一九七二年、ローマ・クラブが提出した第一レポート「成長の限界」をきっかけに、以来、地球の資源には限界があり(これにはその後、補足や反論もあって、資源が限界に至る時期の長短には諸説あるにしても)、けっして無尽蔵ではないという、考えてみれば770