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概要

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ずは学校で用いられている教科書を取り上げるのが良いであろう。無読,国により教科書の比重に差はあるが、最も客観的比較材料であることには異論の余地がないだろう。この教科書ひとつ取り上げても、ステレオタイプ的イメージを助長する記述が多い。世界の教注6)科書の日本に関する記述をみても、その傾向は顕著である。勿論、このような点を反省して、東ドイツとポーランドでは、相互の教科書をチェックし、問題のある記述を指摘しあっているoこのような試みを全世界的規模に拡大することによって、相互に正しい認識を持つための素地が出来上がってくるのではないかと思われる。そして、全世界的規模でこのような教科書の内容分析を行なう場合、その分析のスキーム作り、それが可能なスタッフの招集、分析結果の利用と、どれをとってもその中心となり得るのは、国連大学をおいて他にはなvlであろうoまた、このようなプロジェクトの中心となることによって、教科書を含めた教育体制そのものが未だ不十分な開発途上国に対し、適切な援助を図ることができるという波及効果も期待できよう。また、実験的手法によって、対外国イメージが好意的情報を与えられれば好転し、非好注7)意的情報が与えられればその道になるということが確認されているが、このような結果から見ても、異文化に関する正確な知識を提供する場が増加することが望ましいであろう。前章において多くの人が気軽に利用できる国連大学と提携する総合情報センターの拡充を提言したが、同時に多くの人がより正確な異文化に関する情報に接することができる機会を増やすため、異文化に関する情報部門を.これまで述べてきたような国連大学中心の研究成果を生かしながら拡充し、門戸を開放していくことが望まれる。この体制を整えて初めて、ステレオタイプ的イメージの現状を把握するだけでなく、その解消に向けてのフィードバックを円滑に行なっていると言うことができるのである。そして、そのフィードバックの努力の過程は、国連大学が異文化理解、ひいては国際協調の推進役を果たしていることに通ずるのである。また、このような基盤の上にたって今後留学生等の人的交流がますます推進されていった場合、関係している各学術機関に適切な情報を提供するだけでなく、コミュニケーショ736注6)国際教育情報センタ-注7)辻村明他、前掲書『海外の教科書にある異国ニッポン.グラフィティ』1983、JATEC出版