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概要

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第6回優秀賞円滑化に必要不可欠である。その基盤の上に立って、個々人の異文化間コミュニケーション能力の強化が図られ、より積極的な異文化理解が推進されて、国際交流が望ましい方向に向かって発展していく端緒が開かれるであろう。そして,国連大学が学術機関としてこれらのイメージギャップの解消、異文化理解の促進の先導役となっていくことが期待されるのである。そこで、以下にそのための具体的な方策を挙げていくことにしたい。まず、現在のところ、イメージギャップの実態は、ほとんどが直観的推測に頼っていたり、ある特定の地域でのみ実態把握が試みられているだけで、全世界的規模では行なわれていない.イメージギャップの実態把握の科学的方法としては、世論調査、内容分析、実験等が考えられるが、日本では文部省科学研究費により、この3つの方法を用いて対日イ注5)メ-ジの研究が試みられ、実効を上げつつある。そこでまず、国連大学がキーステーションとなって、全世界的規模で世界の国々、国民の相互イメージを、定期的に世論調査することにしたらどうであろうか。調査項目には「冷たい一握かvl」等の形容詞対を用いたイメージだけでなく、外国に関する知識やその人白身のライフスタイル、価値観に関するものなども導入する。そして、その結果が各国の国民にフィードバックされれば、自らのイメージギャップや、自分が世界からどのように見られているかを正確に知ることができ、その結果を参考にして、行政機関等は相対的に正しいイメージ、あるいは好意的イメージを他国民に持ってもらい、同時に自国民が他国民に対してそのようなイメージを持つような施策をする努力をより一層怠らないことになるであろう。また、その結果を相対的に比較することによって、国際交流が今後ますます活発化していく中での、いわゆる「国際音痴」を減少させていくための、ひとつの重要な指標が得られるであろう。また、定期的に実施した世論調査の結果をパネル分析することにより、イメージギャップの解消の程度が理解できることになろう。次いで、内容分析の手法を用いてのイメージギャップの実態手巴握も有効な手段になると思われる。先にも述べたように、異文化に対するイメージ形成に果たす教育の役割は非常に大きく、イメージ形成の基本とも考えられるだけに、内容分析の素材として、とりあえ注5)1985 「日本社会心理学会第26回大会研究発表論文集」pp.78-971pp.156-175 735