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概要

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第6回優秀賞-パルな視点からのものであるか否かを審査した上で情報利用の許可を与え、個別研究を活性化するのである。たとえこれらが現在直接差し迫った問題でなくても、これらは総合的判断を要する大がかりなプロジェクト研究に貴重な貢献をする筈であるOそれに加えて、特に開発途上国の研究者にこのような研究の門戸を積極的に開放することによって、先進国と開発途上国の研究上の情報ギャップを埋めることができるという効果も期待し得るだろう。これまで述べてきたような努力を積み重ねていく中で、食糧政策等の緊急の課題についてマイナスの影響を早目に除去したり軽減する対策が生まれてくるであろうが、最後に、このような最適化システムを維持していくためには、研究に携わる者の研究能力の強化だけではなく、まさに教育等の手段によって、個人個人の水準を引き上げていくことが不可欠となろう。複雑な知識・技術情報などを、社会の恵まれない人々にも理解できるよう教える方法を研究する機関が、ICSUと協力してインドのマドラスに作られつつあるが、このような研究がより一層の比重をもって推進されることが望まれよう。そして、このような研究成果を十分に生かして、各国に国連大学に集められた情報や、さまざまな研究成果を把握できるようなセンターが設立されれば理想であろう。無論、そこはだれもが気軽に利用することができ、各個人の問題意識、あるいは各個人の情報理解能力に応じて、情報や研究成果を場合によってはグラフや園なども用いて理解できるようなシステムが用意されていることが望ましい。近年の立体画像やタッチセンサーなどで、それが容易になる方向に技術が日進月歩していることは明らかであり、ニューメディア技術で、場合によっ蛙2)ては自宅に居ながらにしてその恩恵に浴する時も来るであろう。いずれにせよ、これらの理想を実現するには莫大な経費を要することは否めない。しかし、国連大学はさらに高い理想のため、先端技術を積極的に取り入れてこれらのシステムを完成する使命を担っていると考えられるし、先進諸国もその使命完遂に向けて、技術提供も含め、国連大学-の積極的な援助強化が望まれる。注2)アルビン・トフラー娃山二郎訳、1970、『未来の衝撃』実業之E]本社733