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概要

satoh

残念ながらE]本は国際社会に門戸を開いてからの時間が短い。正直いって日本人は自らを顧みて何が世界の人々から嫌われるのか、何が求められどうすることが欲せられているのかにづいて、まだ正鵠を得た解答を見出せないでいる。外国人のいうことを無暗やたらに聞くことで正しい解答が得られるものではない。この解答を探し求めること自体、 1つの大きな研究テーマといってもよい0歳も長い方法は多くの外国人と実質的な仕事の中で共同研究や共同事業をしてみることであろう。日本の中のいろいろな組織や機関に外国人を多く迎え入れ、彼等の力を有効に発揮してもらえるよう十分な便宜を与えること、国際的な組織や機関に日本人が数多く入りこんで、そこで集団でない個人の日本人が有益な寄与をすること、こうしたことの積み重ねが日本(A)に対する世界からの評価を高めることになる。国連大学はそのための1つの場として誠に好適である。(3)平和国家の意義日本は第2次大戦後、平和憲法を制定して自衛のための軍備以外には過大な軍備を持たないこと、戦争を外交に代る手段として行使しないことを内外に公約してきたOこの平和憲法第9条の精神は、極東や東南アジアの諸国に対して著しい安心感を与えてきた。この9条の有る無しでは世界の緊張の度合いは非常に異なってくる筈である。1976年三木内閣のとき閣議は日本の国防費を国民総生産の1%以下にとどめることを一応の歯止めとして決定し今日までそれを守ってきた。中曽根内閣の下でアメリカ合衆国からの強力な要請もあって、わが国の国防費は年々急成長を遂げ、この1%枠が守られるか否か正に風前の灯のような状況にある。わが国がアメリカ合衆国との間に結んでいる安全保障条約は、わが国の安全保障を乏しい国防費の下では十分に達成できない部分の補填として役立っていると言われてきた。しかしながら、今やその安全保障条約はアメリカ合衆国とともに、ソビエト連邦からの脅威に対して極東や東南アジアを守るための共同防衛条約に性格を移し変えつつあるように思718