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概要

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消費が持つ特殊な含意が理解されていない。貧困層の多数を占める農民の生産性向上には、土地改革が不可欠であり、土地改革そのものや.栄養不良に悩む者が多い途上国にお24)ける消費増大は生産性を上昇させる、とするGrifinの主張はそのままCheneryの議論への批判となっている。他の潮流としては、雇用を重視するILOの戦略があり、1976年の世界雇用会議においてベーシック・ニーズ戦略が提唱された(以下BNSと略す)0BNSはOECDの開発援助委員会(DAC)の支援を受け、世銀も1977年からBNS-の取り組みを開始した。BNSとは、住居、栄養,給水、保健、教育等、人間としての基本的なニーズを全ての人が満たすことができるよう、貧困層の生活水準を引き上げることを開発目的とする観略であると言えよう。しかし実際にはBNSの名のもとに具体的内容を巽にする戦略が併存しており、R.GrenはBNSを保守的(資本主義的)BNS、革新的/急進的(社会民主主義的)BNS、革命的(社会主義-の転換)BNS、プラグマティックBNSの四着に分25)類しているo以下においては、各国及び諸国際機関に与える影響の大きさを考慮して、世銀によるBNSに焦点を当てる。またBNSに関しては世銀の内部でも議論が絶えず、26)その内容は流動的であるが、ここでは1980年4月段階の見解を最新のものとして考える。(i)BNSから人的開発-世銀は、いわゆるBNSを新しい開発戦略と見放すべきではなく、従来の開発戦略のフレームワークにおける基本的ニーズの第一目的化として考えるべきであると主張する.基本的ニーズの重視においては、全ての人々の最終消費を問題にし、特に教育、保健、栄27)蓑を強調する。この場合、世銀の基本的ニーズ重視が、基本的ニーズの充足それ自体に高い価値を置く国際的福祉国家観によるものではないことが強調されなくてはならない。基本的ニーズの充足が長期的な生産性を上昇させ、経済成長をもたらすという見通Lに立ち、手段的見地から、基本的ニーズの第-目的化を主張するのである.手段の達成によってめざされる目的は、基本的ニーズの充足による絶対的貧困の緩和と貧困層の生産性上昇による経済成長である。世銀は、政策目的と政策手技の関係を混乱させるBNSという70旺24)KeithGrirjn,PovertyandLandles乃eSL'nRuralAsz-a,ILO,1977,pp30131,pp34-35琵25)R.H.Green,"BasicHlmBn Needs=ConceptorSlogan SynthesisorSmokesereeFl?"IDS BZLIeEln.vol.9,No.4,1978,ppl0-ll注26)W.B.Policy Planning and program Review Dep.HAn ElementortheAttack on AbsolutePoverty:MeetingBasicNeeds-AnOverview Paper",mime0.,1980,WorldBank注27)op-°it.,pl