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概要

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第6回優秀賞米国は周知のどとく巨大な財政赤字、高金利、ドル高、巨額の貿易赤字(1984年は1233億ドル)に悩んでいるoEC諸国は高い失業率が慢性化しているし、農業保護政策の見直しを巡って内部に亀裂が出来そうに見える。東西対立の接点に位置しているがためのいろいろな事件発生-中距離核の配備にともなうEC内外の乱蝶、スパイ事件-は、おそらくスムーズな経済発展の障害となっているoOPEC諸国が石油需要の低迷とそれに伴う価格低落のため減産に追い込まれている.そのためかつての結束はもはや見られず,各国とも経済建設に著しい狂いが生じている。中南米には米国の高金利政策のあおりで莫大な債務を抱える国々が多い。ブラジル(債務残高、1984年で707万ドル)を筆頭に、メキシコ(504万ドル)、アルゼンチン(157万ドル)、ベネズェラ(121万ドル)と続いている.ソ連は打続く農業不振に悩まされ、国内の経済発展計画は大分狂いが生じているようである。シベリア開発はその好例であろう。アフガニスタン紛争に完全に巻き込まれ、当分そこから足を洗えそうにない。アフリカ諸国は最も深刻な経済危機に見舞われている。南アフリカ共和国以外の国々、特にサ-ル諸国は産業らしい産業も育たぬうちに人口だけが増大した。そうして早魅が見舞い遂に飢餓に襲われている。1985年のアフリカの食糧不足は700万トンに達すると推定されている(FA?o)。こういう状態にある国々(サ-ル周辺の21ヵ国に上る)では当然経済建設には著しい支障が生じている。このように世界の各地域で経済不振ならびに危機的状態が広がる中でアジアは比較的安定している。特にシンガポール、台湾および韓国のいわゆるNIC諸国の経済発展と中国の現代化路線の成功は素晴しいoLかし、日本の最近の経済発展はこれらをさらに上回るものである。1983年の日本の国内総生産は1兆1581億ドルで、これはOECD加盟国中米国に次ぐ2位で3位の西独との差はその前の年よりさらに拡大した。こうした躍進ぶりは1984年の貿易黒字350億ドルに象徴的に示されている。また、日本の対外純資産は1974年に743億ドルに達し、世界第1位の金貸し国となる見通しであるという。709