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概要

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第6回優秀賞化、保護貿易主義の台頭、アフリカの飢餓など益々緊張と混迷の度を高めており、国連大学の研究活動を必要とする場面はより一層広範囲に拡がり、複雑多岐にわたる問題の解決が求められている。国連大学の発足10周年に当たり、現在の国際情勢を正しく分析し、来るべき21世紀における国連大学のあり方を探ることは大変有意義なことである。その中で日本の果すべき役割は現在のそれよりもさらに大きくかつ本質的な深い係わりを持つものとなろう。日本の国連大学-の貢献は、単なる資金面-の援助・協力に留まっているのでは極めて不十分なものとなろうOわが国の学術研究の体制を再編成し、研究・研修活動の面でリーダーシップがとれるようにすることが現下の急務である。このことの実現により、わが国に国連大学本部が設置されたことが初めて大きな意義を持つといってよい。2.国際社会における諸問題(1)軍拡競争と国際紛争第2次世界大戦の終了から今年までの40年間、地球的規模での大戦争は幸いにして起っていないが、局地的紛争は絶え間なく発生しており多くの損害をもたらしている。今年2月の国連「世界社会情勢」年次報告書によれば、第2次世界大戦後の局地戦争・紛争による死者は2100万人にも達したとのことである。1983年における武力紛争は75カ国で発生し、これらは宣戦布告なしで行われるため戦闘員・非戦闘員の区別もない。死者の5人中3人までは民間人であるといわれる。紛争の直接的原因はさまざまだが、局地戦争が絶えず発生し、それが激化したり長期化したりする原因の根本のものは、明らかに米ソを鳳点とする東西対立が年々深刻化している点にある。米ソ両国とも相手を何回も繰返し演滅させ得るだけの核装備等を既に保有していながら、今なお相手側の軍備が自己のそれを凌駕することを極度に恐れており兵器開発競争に狂奔する。1986年の米国の一般会計予算案中の国防費は2857億ドル(29.3%)杏707