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概要

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間に、積極的な相互協力の輪を生みだす」ことがあげられている。日本にある国連大学の本部は、天にある理想をめざして高くそびえる学術の塔であるばかりではなく、地元の大衆が気軽に意見を交換できる広場でもなければなるまい。塔をつつむ相互協力の輪をスパイラル状に幾重にも伸ばしていくのは、故ウ・タント氏の理想に共鳴して、東京都内の本部施設を提供した我々日本人ひとりひとりの義務であるといわざるを得ない。おわUに本稿はまず.これからの国際社会をどのようにイメージしたらよいのかという視点から、人と人とが国境を超えて、生活の次元でふれあえる関係について論じ、個立的(stand-alone)な生き方を追究する個人をべ-スとする生態的な地域社会の到来を提示LたD次に、国連大学の研究体制に焦点をあて、異った視点の導入および文化的相対主義という2つの前提を明確にした後、情報社会における新しい地縁関係としての地球という認識の形成をこれからの新理念とすべきことと説いた。これは、「生存は分かち合いから(SharingforSurvival)」という国連大学の理念をより深化させたものである.これをうけて次に、将来に向けて研究すべき基本テーマを模索した。すなわち、まず文明的視点から、人間・装置系インターフェース哲学、都市共同体の未来像、新しい技術パラダイム、効率性と遊びの再統合という4テーマをあげた。さらに、身近な生活という次元から、家族生活の国際比較を、また具体的な技術開発テーマとして、ワールド自動翻訳磯の開発を提案した。7つ目のテーマとしては、これまでの平和研究を集大成するとともに、過去の紛争に関する実証的研究を一層推進させる観点から、平和の遺伝子バンクの設立をあげた。これは生体免疫系の機能に類する役割を平和研究に期待したものである。最後に、日本にとって国連大学はどういう意味をもつのかという視点から、日米関係を地球的関係としてつかまえることの重要性や世界の中に卑ける日本の座標の明確化について論じ、国連大学のかかげる「平和と人類の進歩-の貢献」という理想の実現を支援する684