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概要

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い。スリ・ランカでは1931年に21才以上の男女に選挙権が与えられ、1947年には総選挙を経てD.S.セナナヤケ内閣が成立、翌年2月4日に独立を達成した。政体は議会制民主主義であり、明らかに旧宗主国イギ9スの影響を受けているo政権は、成長を志向する自由主義的なUNP(UnitedNationalParty)と福祉を志向する社会主義的なパングラナイケ政檀(UnitedFront)の二大政党の間で、周期的に交替し、すでに五回の政変が生じている。二大政党が国家目標を異にするため、政変のたびに制度、政策、人員配置は劇的に変わり、また政治的競争の要請があるため、政策は短期的人気とり政策の性格を余儀なくされ、一貫した開発政策がとられなかった。経済面では豊かな輸出財を持ちながらそれを生かすことができず、過去の成長は相対的に低調であった。このようにスリ・ランカの経済情勢は、旧宗主国イギリスに酷似している。イギリス病を論じる森嶋教授の以下のコメントをスリ・ランカに当てはめるのは的はずれであろうか。「私はイギリスが経済的にうまくいかないのは、イギリスが二大政党の国で、政権が数年ごとに二つの政党の間を右往左往するからだと思います。-政権が一党から他党-移動するごとに、多くの基本的な経済政策が大幅に変るようでは、将来の見通しが●●●立たず、経済は長期の効率性を喪失し、企業家精神も萎えてしまいます。経済的な観点からいえば一党独裁である(ナチス・ドイツや共産圏諸国)か,複数の党であっても一党以外の覚が弱い(1970年までの戦後の日本)か、二大政党であっても似たりよったりで代わりばえしない(アメリカ)のが好ましいのであって、イギリスのような、かなり鮮明に異なっている二大政党が対立している状態は決して歓迎すべきことではありません。9)ります。」.・イギリスはデモクラシーのために多大の経済的犠牲を支払っておまた、スリ・ランカ財界の大立者M.Wijesingheは、スリ・ランカの開発にとって最も必要なことは政治的安定であると言い、人の好き嫌いで行う政策運営の不当さを主張す10)る。スリ・ランカの場合、経済的観点からすると移植された政治制度、即ち議会制民主主占占注9)森鳴通未「続イギリスとEl本一その国民性と社会」岩波書店1978年ppl19-122注10)MalDry E.Wijesinghe,TheEconomy of S'・iLdTZ丘a,1948-1975,SriLanka,Ranco Printers良Plb)ishersLtd.,1976,p229