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概要

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第3章これからの研究構想前章で述べた新理念を具体的に追究していくには、新理念にふさわしい新しい研究領域-の切り口が用意されねばならない。一国に属することだけでは満足できないような若人をかりに新人類と呼ぶならば、国連大学は研究の場であるほかに、また、地球感覚をもった新人類の養成や訓練の場でもあらねばならない。本章では、7つのアングルから、国連大学として将来研究すべき基本テーマを提案してみたい。1人間・装置系インターフェース哲学の構築地域の集積として地球をとらえ(地球-2地域)、また人間とその地域技術の関数形として文化を考える(文化-∫(人間、地域技術))ならば、産業革命以降の機械文明の進展は、文化の変容が少ないと仮定した場合、人間のあり方を根本的に変えてしまったものと推定される。(なぜなら、人間についてこの方程式を解けば、人間-g (文化、地域技術)となる。)経済学から見れば、機械技術の進歩は人間労働の節約をはかり生産性を向上させるためのものであるが、実際にはその社会に新規の機械が導入される度合の大きい先進国ほど人間は多忙になり、精神的なストレスも多い。こうした機械文明の進展による人間性の変容こそ、精神面における地球規模の病であって、野性と文明、すなわち自然や生得的な人間のあり方と人工的環境とのかかわりが解明されねばなるまいOいったい人間は生物とLてどの程度複雑な技術文明に適応していけるのであろうか。その適応限界によった現代文明の変化のペースや方向に何らかの示唆が得られるのではないだろうか。今日、哲学に求められているのは、そうした人間と装置系文明とのかかわりとして文化や生活様式をとらえる視点であり、地域単位の研究が推進される必要がある。さらにまた宗教についても、人間のあり方を技術を超えたところで規定する、より根源的なものとみなす立場からの研究が重要である。例えば、身体感覚的な座標を重視する仏教圏と理念的座標に重点を置くキリスト教やイスラム教圏の比較は是非とも行われるべき占7占