ブックタイトルsatoh

ページ
656/1034

このページは satoh の電子ブックに掲載されている656ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

satoh

置き換えて考えてみる必要もあるのではないか.昨日まで敵国であったわが国に対し、米国はじめ各国は我々の飢えを満たし、立ち直らせるためにどれ程の物資を送り込んでくれたことか。経済が疲弊し、自国さえ豊かさとは程遠い状態の中で、しかも昨日の敵国民に物資を援助するなど、単純な議論で押し切れるはずがないのに、-である。ましてや我々が協力しようとする相手は敵国などではない.また相手国の人々と発想が違うのも当然である。「ありがとう」と言うべき時にも「すみません」と言い、ふた言目には「どうも」と言って頑を下げる性癖の民族と、絶えず自己主張をしていないと生存競争に勝てない民族とでは、考え方や物の言い方に開きがない方がおかしい。「面白くないから」やめてしまっては、国際理解とも国際協力とも永遠のお別れになってしまう。むしろ「面白くないから」こそやってみる必要があるのではなかろうか。正直言って外国人とのおつき合いは疲れるものである。それが場を重ねるにつれて、違いは違いとして認め合い、逆に共通の部分の発見が増す忙従って,肩の力が自然に抜けてゆくに違いない。彼我の違いだけで疲れ、意欲をなくしては、日本人は世界で何かをなすことはできない。世界は違いだらけだからである。それに、外国人の方が我々日本人とつきあう際に、我々以上に疲れると思っているかもしれないのである。客観的に見れば、世界でも日本人は極めて特異な存在である。疲れても気をとり直し、挫折をしても立ち上がる勇気をもち、助力が必要な人に手を差し伸ばし続ける姿は美しい。わが町わが村の青少年は、そういう大人の努力を見守り続けるだろう。その中から、人間の行ないとして何が大事か、何が美しいかを自然に学び取ってゆくだろう。愚痴や議論や喧嘩も周囲に見られるかもしれない。しかし.それが海の向うの人達をいかに応援してあげるかを巡ってのものであれば、青少年は大人の情熱に眼を見張る思いがするだろう。国際理解と国際協力は、相手に望み、期待する心から生まれるのではなく、我々が何かを与えようとする時、初めて具体性をもった価値あるものとなることを、わが町村の我々は身をもって青少年に伝えなければならない。わが町わが村ぐるみの国際協力が、銭湯で何気なvIE]常的話題となるような雰囲気の中で、青少年はわが町占54