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概要

satoh

い、よりヒューマンな分野である。単発的に終らず、お互いに膝をつき合わせる感じの息の長いおつき合いを重ねて、初めて効果が生まれる類の協力であるoわが国のみならず諸外国の協力は、単発的なプロジェクトの実施ないし資材供与に集中し、いわば諸分野の点に落下傘降下するにも等しいものである。それはそれなりに、国の経済基盤を充実する上に必要である。しかし、他方では国が地域社会の集合と考え、地域社会の秩序やしきたりを尊重しながら、地域社会を相手にじっくりと腰を落ち着けて、住民の暮らしを考えるという類の協力も必要ではなかろうか。従来の経済協力評価のように、その便益を計量的に把握することは難しいかもしれない。しかし、地域社会の住民の生活と生態系のテンポの中で,彼らと協力しながら、彼らがより「人間らしい生活」-歩を進めるための後押しをするというのが、まず協力の基本型としてあってもよいのではなかろうかOすなわち、発展途上国-のもうひとつの協力は、すこぶる人間臭い、いわば人肌のぬくもりの伝わるレベルでの協力である。勿論、現行の経済協力・技術協力を規模の点でさらに拡充する必要があるのは言うまでもない。しかし、地域社会とじっくりと取組み、雑多な草の根的な協力を掘り起こしてゆくのは、従来の政府:の施策には不向きであるO途上国の地域社会に対するには、やはりわが国も地域社会をもって協力するのが最適である。すなわち、地域社会わが町わが村の国際協力-の参加である.これは相手国の地域社会に対して、わが国の地域社会がそのノウノ、クと力を提供し、より人間らしい生活-の方策をともに考えようという、地域社会ベースの協力である。わが国はど全国的に教育程度の高い均質な人口を有し、かつ特徴ある地方産業を多く持つ国は世界でも稀である。そうした地域社会が国際協力-一歩踏み込むことによって、わが国の国際協力は国民的広がりをみることになる。飢餓にふるえる同胞のために.子供を交じえた全国の善意ある人々から、寄金が続々と寄せられているというOわが町わが村にも、多くの人が呼びかけを待っているであろう.町・村ぐるみで「国際協力都市」「国際協力の町」「国際協力の村」を宣言できたら、個人でできる範囲を超えて、どれだけ多くのことができるか想像に難くない。またそれがどれ占48