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概要

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第1回優秀賞もしれない.LかL、ここで問題にしたいのは、植民地化、また貿易や投資活動を通じて途上国に導入された、先進国を起源とする財、技術、教育、制度一般、価値観自体である。途上国に移植されたこれらの種子は、途上国の開発を促進する効果を持ったのであろうか、あるいは低開発性の種子だったのであろうか。以下において個別的に考察したい。(i)財先進国を起源に持つ財が途上国に導入されると、∫.Robinsonによれば次のような効果1)が生まれる。まず、一般的に高い消費性向を持つ途上国の富裕層は、国内の著俸財及び国内のサービスに加えて、先進国からの輸入財を消費することが可能になる。ここで途上国に登場する先進国からの輸入財は、本来先進国におけるニーズを充足させる為に開発されており、その意味で先進国に適した財である。Robinsonは、得がたくなった家事労働を代替すべく開発された洗濯機,電気冷蔵庫などの電気製品を例示する。これらの先進国に適した財が、途上国には適合的でないところに問題が発生する。即ち、過剰労働力に悩む途上国に家事労働を節約する財を導入することは失業の創出につながり、またより生産的に利用されたかもしれない資源を消費してしまう。このような不適当な財の導入は、途上国の開発を阻害する要因となる.また恵まれた富裕層が先進国起源の財引清人する経済においては、それらの財の生産こそ最も容易に利潤をあげられるため、途上国における投資は、それらの財の生産に、向けられやすい。先進国起源の財を生産構造に取り込むことは、これまで存在してきた前資本主義的生産や小規模な家族労働によるサービス業の市場を奪い、それに取って替わることになる。この転換は生産能力の上昇を意味せず、失業をもたらし、所得における不平等性を高める。開発に悪影響を与えるこのような生産構造の出現は、一面で輸入代替政策を支持する保護関税に由来すると考えられ、政策変更によってその悪影響を緩和することもできようoLかし、先進国のみにおいて〔R&D投資-技術革新-利潤率上昇〕が発生し、その結果、先進国に途上国から資本が流入するという2)Grirfinの理論が存在するが,もし先進国起源の財生産部門-の資本流入が、途上国内における先進国的部分、即ち先進国起源の財生産部門(多国籍企業を含む)と、途上国的部注1)JoanRobinson,A申CCES0/ DeDel坤meTZland UderdeDelopmeTZt,CambridgeUniversityPress,1979,pp32-34往2)KeithGrifin,Jnternatz'onalITZCguLZIzIEyLZndNalE'onLZIP耶・eTILy,MaCmil)an,1978,p6占3