ブックタイトルsatoh

ページ
576/1034

このページは satoh の電子ブックに掲載されている576ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

satoh

ら文化摩擦が生じ、誤解や不適応症状を起こしやすい。そのような問題は、発達心理学、社会心理学、文化人類学などの分野の研究対象とされ、日本人論や文化の対照比較に関する出版物も多い。一方では、異文化の狭間で自ら悪戦苦闘した体験がある人々が、個人あるいはグループのレベルで国際教育に取り組んでいる。教育はその形態の面から、フォーマルな教育を行なう学校教育と、それに比べて多少インフォーマルな面を有する社会教育、および極めてインフォーマルな家庭教育に分類される。学校教育における国際教育の実践は、教育基本法に明記されてはいるもののまだその理念だけで、具体的にカリキュラムに取り込まれていないのが実情である。社会教育の分野では学校教育に比べて早くから国際教育に取り組み、各種の学級や講座が開設され、地道な活動を続けている。例えば、静岡市のある公民館の例を見ると、婦人学級「視野を広げ、暮しを見つめ直す講座」、勤労青年学級「海外セミナー」、寿大学「普段着の国際交流」などがそれである。このように社会教育は国際教育を重要な目標の一つとして位置づけている。家庭教育の面はどうだろうか。わが国では、教育は学校が行なうものである、という親の意識が強く、国際教育に対する認識はどの家庭を見ても欠けているといえる.2.2.国家教育の学習目標国際教育は国際理解と国際協力に関する教育活動として一元化して考えたいと思う。それは、世界の現状を見ると、われわれが世界の人々とその問題を知り理解するだけでなく,行動を起こすことが要求されていることによる。国際理解や国際協力に関わる教育活動はこれまでもないわけではないが、その意味も範囲も明らかでない面もある。従って、ここで国際教育の学習目標について考えてみたい。1976年にユネスコが採択した「国際理解、協力、平和のための教育および基本的人権と自由に関する教育」の提言は、国際教育の目標を考える場合の指標となるものだといえる。(1)教育レベルや教育形態のいかんにかかわらず、教育は国際的な次元に立ち、国際的な視野をもつ。574