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概要

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第1回優秀賞総括本論は、開発途上国におけるリテラシーの普及を考察したものである。全体は3章に分かれている。第1章"権利としてのリテラシー"では、まずアジアにおける高い文盲率について、その背景となる種々の要因がさぐられる。さらに本来個別的能力であるリテラシーがなぜ社会性を帯びたものとなっているのかを、その窟毒づけをめぐって検討するO従来のイリテラシーとリテラシーという二元論ではなく、 3項分類をしき、国家の社会的・経済的発展の一要因であり、主体性・自立性をもつ個人の人格形成に必須の基本的権利としてのリテラシーとして捉え論をすすめる。第2章"リテラシーの現状"では、世界におけるリテラシー率の推移を概観し、特にアジアにおけるリテラシーの低下現象を示す。この中で対比として、先進国のひとつイギリスにおけるリテラシーの歴史的推移をみてみる。これは、同時に初等教育とリテラシーとの密接な関係を示す資料としても挙げられているのである。インドを中心としたアジア諸国の低いリテラシー率の背景には、人口問題が潜んでいる点があげられる。換言するなら人口増加に比して、初等教育施設数・教員数の増加が伴わないからである.そこで既存の教育環境の中でいかにしてリテラシー普及を行なっていくかを主眼に次の第3章に転じる。 3章では、リテラシー普及に対する提言、展望を中心に述べられるoリテラシーと最も関係の深い教育問題を、初等教育と成人教育の2点から考察していく.初等教育における教員数の確保、代教員システム等の教育方法での効率よい教授法を考察するoさらにリテラシーを持続させ習慣化していく上に大きな役割を果たす成人教育に焦点があてられる。この施設として、多機能をもつ地域に密着した図書館の設置をあげる。以上のような教育の二つの側面からの把握のもと、各国のリテラシー教育の実情を概観する。ここでは、特に長期的・小規模なアプローチであるインドネシアの事例と、短期的・大規模なアプローチであるニカラグアの事例が示唆的方向としてあげられる。さらに観点を変えて,リテラシー教育の最も重要な点として、モチベーションについて考察する0日常生活にかかわるテーマ或いは興味あるテーマに沿ったカリキュラムが望まれよう。最後に全体的視野から、アジア地域における統一したリテラシー普及の為55