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概要

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第5回優秀賞を超えて、互いの家に招き合うほどの友情が育つのだと教えられた。むろん、この「青年の船」交流プログラムに、全く問題点がないわけではない。参加者の中には、あまりの強行スケジュールに対し強い不満を漏らす者もいた。また、この「青年の船」への参加者は、各国とも政府によって選抜されているため、全般的にエリートが多かった。だが、いくつか改善すべき余地を残しているとはいえ、やはり、この事業が青年の国際交流、国際理解の促進に、大きな貢献をしているのは確かである。最近では、地方自治体でも、姉妹都市提携等を通じて、子供や青年の交流促進に力を入れている。また、民間でも、新聞社の主催により、今年11月から4年にわたり、世界各国の若者たち約ヰ,000人が科学探査、環境保全などを目的に、「オペレーション・ローリー」という世界一周の冒険旅行プログラムが行われようとしている。必ずしも、交流プログラムは、このように大規模である必要はない。また、特別に選ばれた者のみを対象にすべきでもない.誰もが参加できるような草の根の交流プログラムを教育の場において、環境として与えてやることが望ましい。教育における、人と人との関係づくりという意味においては、第2章でも既に述べたように、留学生の受け入れ拡大は、大変効果的な方策の1つであると思われる。政府及び地方自治体の柔軟な姿勢を期待すると同時に、教育現場にいる教師にも、異なる文化的背景を持った者も共に学べるような教材の開発に力を入れるよう望みたい0再び、デューイの言葉を引用したい。「さまざまな人種の、宗教を異にし、異なった慣習をもった子供たちを、学校の中で混合させることによって、全員のための1つの新たな、より幅の広い環境が創り出されるのである。共通の教材は、孤立状態におかれている限り、どんな集団の成員も明瞭にとらえ3)得ないほど、広い視野に立った統一的観点に全員を慣れさせる.」私は、近い将来、世界各国との教育プログラムの交換、そして、さらに一歩進めて全世界の子供たちのための共通教育プログラムの開発といったことが推進されるよう提案する。学校教育は、もはや、自国民のみを対象として行われるべきではない。宗教、人種、注3) Dewey,前掲書,58ページ543