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概要

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異文化そのもの-の理解も、やはり、コミュニケーションが、重要な意味を持つ。こうして、文化、教育、コミュニケーションは、互いに相重なり合う部分を有Lながら、密接な関係で結ばれていると考えられる。さて、 2番目の提案として、国際理解を深めるために、教育の枠内で、人対人の交流の機会を豊富に与えること、を挙げたい。外国人、あるいは異文化-の理解が、国のイメージというようなレベルにとどまるのではなく、実際に個々の人間との交流という経験を通して深められるようにすべきであると考える。すなわち、国同士のつきあいから、人間対人間のつきあい-の移行が進展してこそ、異文化理解も進むであろう。そのためには、草の根レベルの交流プログラムの充実が望まれる。できるだけ人間形成の途中にある子供や青年が、個人の資格で、主体的に参加できるような、国境を超えた交流プログラムを、今後増やしていく必要がある。いくつかの試みは、既に始まっている。たとえば、政府が行っているものとしては総務庁(旧総理府)主催の「青年の船」事業がある。これはASEAN諸国と日本の青年の友好促進を目的とした、およそ40日間の洋上ツアーであり、各国約20名ずつ6カ国の若者が参加する。船は、ASEANメンバー各国に、それぞれ1度ずつ寄港しながら周遊を続け、最後に日本に到着する。私は、昨年、一行の滞在中に東京代々木にあるオリンピック記念青少年センターで行われた歓迎の集いに、ローカル・ユースとして参加する機会を得た。レセプション会場では、あちらこちらで新しい友情の輪が広がり、歌合戦、ゲーム、ディスコ等のアトラクションをまじえながら、彼らとの交歓を楽しむことができた。その夜は彼らと同宿し、ASEAN各国の女性たちと徹夜でお互いのことを語り合った。 2日目には、いくつかのテーマ別分科会も含め、シンポジウムが開催された。そこでは、相互理解、平和、軍縮、開発といったテーマが様々な角度から討論され、彼らの発言、あるいは討議の進行を通して、彼らの生の意見、考え方を知ることができた。タイの少女からこの交流プログラム-1カ月以上も同じ船の上で生活する一に参加した者同士には、国の違い542