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概要

satoh

らしい。外見上も、話す内容も、日本の女子中学生と何ら変わりはない。しかし、彼女との交流を続ける中で、時として、国家とは何か、文化とか何か,そして人間の生の根源にあるものは一体何であろうかという思いにとらわれることがあるOデビーの場合、国家は、己れの生命を保証するどころか、それを奪いかねない存在であった。彼女らは、自国を脱出せねばならなかった。そして今、異国で生きるために、好むと好まざるとにかかわらず、異文化の中で自己の存在を溶けこませ、自ら身につけている己れの文化-の執着をはばかっている。デビーは、都立高校-の進学を切に希望している。彼女の進学問嵩に頭を悩まLながら、日本の教育及び教育行政の現状に、いくつかの疑問点を見出した。それは、単に難民だけにかかわる特殊な問題ではない.つきつめていけば、今日の教育が抱えているより根源的な問題にたどり着く。他方、広く世界に目を向ければ、今、この地球上には、インドシナ難民と同様の、あるいは彼ら以上に悲惨な状況に直面している人々が、何億という単位で存在していることに気づかされる。世界中いたるところで、戦争、飢餓、圧政、疫病、災害、抑圧、自然破壊等の危機が発生しており、その直接・間接的な影響は国境を越えて広がっている。ほとんどの場合、もはや一国内のみの解決は、到底不可能である。この事実を直視した時、我々は、おのずと、自らの生の意味を再考せざるをえない。この地球上に起こる問題は、地球に生きる以上、決して他人事ではなく、自分白身の問題である。それらの解決に向けて、自分がどう関わっていくか、どう行動していくべきかを一人一人が真剣に自問する必要があるO第1章今日の国際社会ここ10年間に日本人の世界観は、自ら自覚しているより、はるかに大きく変化してきたのではないだろうか。532