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概要

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第4回佳作を与え、経済摩擦の一因となっていることは事実である。この点で日本と対照的なのはフランスである。フランスの経済力は近年決して上昇期にあるとは言えないが、フランス語の頑なな堅持とともに、映画、ファッション等のフランス文化を世界に輸出することに成功しているO日本も自らの文化を演出し、海外に普及させることにより、エコノミックアニマルという片寄った評価を打破すべきである。特に日本はエレクトロニクスの分野ではアメリカを凌いで今や世界のトップに位置するといわれるが、今後ソフトウエアの整備により情報媒体を通じて新しい文化を産出すことを期待したい。例えば源氏物語はその成立時期や内容から見て世界でも冠たる古典といわれるが、言語上の制約から一部の日本研究家を除いては世界に知られていない.このような日本の古典文化を映像媒休により海外-伝播すれば、日本文化の国際的理解に貢献し、経済のみに偏らないバランスある日本の理解に資するものと考えられる。第三世界との交流は今まで記したように、(1)国際的義務、(2)日本文化の伝播の目的のみではない。日本文化は異種の文化をとりいれ、自己のシステムで昇華させてきたが、それは従来中国や西欧など先進国の文化のみであった。してみると、今後日本が発展途上国との文化交流を推進することは、日本の外国文化接受に大きなェポックを期すことは間違いあるまい。もっとも、人種や風俗的に見れば、日本は南太平洋や北アジアの影響を強く受けており、先進国の文化接受はあくまで表面のみに留まっていると考えられる。このように解すれば、第三世界との文化交流は単に従来の日本の文化接受のあり方を変えるのみならず、日本の原像文化にも大きな影響を与え、その刺激により新しい文化の創造が期待されうる。(3)日本は古来から海外の文化を積極的にとりいれ、文化的に雑種の国であるが、意外にも日本人の国際感覚は極めて遅れている。海外に赴いた日本人の多くが海外不適応者となるのは、表面的には海外に開かれているようで実は開かれていない日本の休質に由来すると考えられる。その原因は、日本の周囲が海に閉ざされ、他国とのバランスある国際感覚が育たなかったとという要因もあるが,先進国の文化のみを取入れ、逆に自国の517