ブックタイトルsatoh

ページ
514/1034

このページは satoh の電子ブックに掲載されている514ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

satoh

事実であると考えたい。確かに情報化社会の進展とともに、パートタイムジョブや家庭労働の比重が増加することは否定できないであろう。しかし、このような集団意識が日本社会のいわば骨格となっており、今後も大きくは変わらないと予想されることから判断すると、労働者が集団を離れて全く個人で仕事を行ったり、アメリカのミーイズムに端的に表われているように、単に仕事を生活の手段と割切る方向-は急速に進まないのではないかと考えられる。具体的には次のように辛えたい。今後労働に対する自己充足の要望や労働を契約と考える概念が強くなり、自己の才能を生かす労働であれば、個人が複数の職場に勤務するケースが増加すると思われる。つまり個々の企業-の従属度は弱まる。しかし労働における集団意識がなお強く存続する以上、家庭労働の普及には限界があると思われる。このような流れから考えると、日本人の労働観は、西欧のように労働を自己の生活と対極させずに、個人の生活での-充足手段と考えるo言い換えれば、個々の企業-の従属度は低下しても労働そのものに対しては単純に割切った考えを持たない。このような勤勉性の維持が日本人の場合可能であると考えたい。(2)第2は、21世紀には欧米をも上回ると推定される急速な高齢化社会の進展を、情報化社会がどう乗りきるかである。老人の判断力を有効に使ったり、肉体的な衰えをロボットである程度まで代替させることは可能であろう。問題はむしろ老人の活力をどのように引き出すかである。日本は終身雇用制であり、高齢者の労働者保護が十分であるとの議論があるが、それは正しくない。むしろ日本の現在の労務管理は中高齢者に酷であり、それは賃金体系(50-55歳を超すと賃金カーブが急速に低下する)や高齢者に対する事実上の指名解雇に象徴的に表われていると言え.よう。しかしながら、人間は年齢とともに個人差が大きくなると言われる。仕事-の情熱や能力は同じ年齢の者で比較すると、高齢者になるほどその差が著しい。したがって、年512