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概要

satoh

現在の社会を直視してみよう。自分たちは文明社会に生きる人間であり、国家であると思っている人なり国家が、僅か一発で数十万の人間を、しかも非戦闘員を対象として殺傷し得る原子爆弾を実際に使用し,更に地球上の全人類を六十回も皆殺しにできる程の核兵器を保有している現実。先の第二次世界大戦後僅々四十年足らずの間に、地球上の各地で大小百三十五回の戦争、紛争を記し、その間二千五百万人の死者を出し、千三百回の核実験を繰り返している人間に対し、我々は蒙昧、野蛮、揮猛などの言葉以外のどのような言葉を使えば良いのか教えてほしいものである。詩人の川崎洋氏は、犬も馬も夢をみるらしい動物たちの恐ろしい夢のなかに人間がいませんようにと、詠んでいる。作者の祈るような気持ちがひしひしと私の胸に迫ってくる思いである。まことに回りくどい言い方をしたが、上述のことは、文明社会必ずしも文化社会ではないと言いたいがためと、前に戻って重ねて言わせて頂ければ、「科学技術の進歩と、人間自身の進歩」とは別次元のものであることを強調したいがためにほかならず、今回与えられたテーマに私が答える最大のポイントでもある。更に「-教育、知識、社会と文化のあり方にどのような影響を与えるか」との設題については、私は全く予測もできないL答えを出す用意もない。然し、私が懸念しながら述べて来た以上の事柄の中で、時間のギャップが少しでも修正され、文明と文化が調和され、人類の将来の進路に少しでも役立つことがあれば、と念ずる者である0最後に私は次の二つの言葉と詩をど紹介して筆を措くこととする。494