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概要

satoh

「21世紀型図書館」とさわがれている書架容量100万冊、文献情報1000万タイトルまで、収容可能な図書館を設立した。そこでは文献情報は全て、コンピュータに電子化され、「もう図書カードを手でくって探す必要はない。利用者が自分で端末機を使って待たずに本探しができる」。知識の電子化が進めば、世界中のいたるところの電子化された知識源から、必要になった時、必要な知識が、たちどころに収集され、望む場所の、望む装置にそれを表示できる樺になる。この世界中の知識資源の共有化によって、同じ知識の多重生産が減少し、また、文献検索時間の短縮によって知的生産の効率の上昇が見込まれ、さらに知識水準の格差の減少も期待できる。ここで、知識の電子化がもたらす負の効果について言及したい。その一つは、「知的規格化」の傾向である。ユネスコ「マクブライト報告」は次のようにいう。「マス・コミュニケーションは新しい方法で表現され、解釈されるわれわれの共通の記号システムを強化し豊かにする傾向がある。そうすることによって、それは、それぞれの集団の独自の性格を希薄化し、ステロタイプ的な画一性を強めている.知的規格化は、一般にその過程の始まった時よりも高い程度まで確保されたものになっている」。ここで述べられている規格化は、テレビ、新聞などのマスメディアによる流通に関わる側面につVlてであるが、知識の記録蓄積そのものが、電子的になされる場合の規格化は、はるかに強烈に効果するであろう。負の効果の第二は、「知的生産」に関係する。我々が、それぞれ「知識」を記録し、ことばによって伝達してきた過程では、我々人間の持つ思考能力が、無意識のうちに「知識」の内容の発展に寄与してきた。つまり、人間という一つの統合的な存在は、様々な断片的知識を人間内部で均衡さを統合化し、一つの全体的な知識として、発展させてきた.そこでは、伝達された知識が、解釈され、比較検討され、そしやくされ、最後に内面化して、「身についた知識」となるプロ430