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概要

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第4回優秀賞作業なしには、決して私達の手には入らないのだ。毎朝、栓をひねると使用出来るガスはどこから来るのだろう。あのガスホルダーの建設。高所での球形タンクにはいつくばって、ガス漏れのないことを確かめる作業なしには、私達の手に入らないのだ。私達の住む時代、社会の形態がどのようなものであれ、生きるために必要な物資は自らの手で作り出さなければならない。自分一人で生きてゆくとしたら、自分の生存を保つだけに全エネルギーを投入しなければならないだろう。私達は分業化を思いついたoLかし、その極度な分業と経済的メカニズムのかたよりが、生産-のエネルギーの投入を無為なもの、歯車的なものと感じさせるようになってしまった。農作物を作ること。魚を獲ること。機械の部品を作ること。その作業が何であれ、役割をもっているのだ。自分の作った農作物は、他人のロ-運ばれ、血となり、肉となり、明日-の活力の糧となるのだ。自分の作った機械部晶は、他の部品と組み合わされ、人力では運べないもの、作れないものを動かし、作り出してしまうO他人を重労働から解放し、私達の活動を支える力となっているのだo未完成な社会機構の作り出した、無味乾燥な、果てしの無い目的のために着目して自分のエネルギーを投入しているのではないのだ.他人の役に立つということに着目してみよう。自分の生産エネルギーの投入は、生き生きとしてくるのだ。分担して、エネルギーを投入することは、他人との関係を作る第一歩ではないか。分担は私達が生存してゆくかぎり、必要最低限の行動であり、具体的な作業は何であれ、美しきをもっているのだ。ファウストに"とどまれ、おまえは実に美しい!"〔文献10)〕と言わせる原動力は、分担にもとづく、人間集団としての共同作業にあるのだ。責任という目を大きく開き、人間集団の中での自分の果たす役割を知ろうO自分一人での生活はあり得ないことを知ろう。3)感動という目407