ブックタイトルsatoh

ページ
294/1034

このページは satoh の電子ブックに掲載されている294ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

satoh

ることを目的としています。しかし、現在の諸国家のあり方をみてみますと、複雑な国際社会の中で、主権国家として、自国の安全を確保するためには、結局のところ国の大小をとわず防衛力、軍事力に依存せざるを得ないというのが現実のようですo「恒久の平和」や「安全な生存の保持」は軍備によって支えられているのが現実です。諸国家は、少しでも他国より、すぐれた軍事力を備えようと日夜研究に刀を入れております。そして、科学の進歩が即、軍備に利用されているという事実は否めません。特に第二次世界大戦後、米ソの軍備の拡大競争はすさまじいものであり、1982年7月、合衆国の宇宙連絡船(スペースシャトル)の成功により、いよいよ宇宙戟争時代に突入したと言われております。今回の合衆国の実験内容は「ソ連の核ミサイル攻撃をいち早く探知、識別し、合衆国の対ミサイル迎撃態勢の早期警戒能力を高める極低温赤外センサー、発射されたソ連のミサイルを追尾する地平紫外線センサー、宇宙空間でのソ連の電波妨害に対して人工衛星が自力で位置を確認、航行できる宇宙六分儀などの装置」と伝えられており(ミサイルの噴煙が出す赤外線をとらえる極低温赤外線センサーは、騒がしいロックバンドの前でのひそひそ話が探知できるとたとえられるほどの高性能を持つとされております。)、ソ連の戦略核ミサイルによる対衛星攻撃兵器実験に対応して、宇宙空間での合衆国の軍事早期警戒能力を強化するものとみられています。現在、両国は、写真・電子偵察衛星、早期警戒衛星、通信衛星、気象衛星、戦略兵器制限条約(SALTⅡ)のための査察衛星、核爆発監視衛星、海洋(潜水艦)監視衛星などを宇宙空間に送り込んでおり、軍事の目的で打ち上げられたものは、合衆国2659個、ソ連1880個にものぼり、まさにSFの世界が現実のものになりつつあります。1982年8月、ウィーンで開かれた第二回国連宇宙会議で、発展途上国のほとんどが宇宙開発の平和的利用の重要性を強調、宇宙軍備拡大競争の激化に対し、不安をあらわにし、メキシコ代表が提出した77か国グループの宣言では、宇宙空間におけるすべての兵器の実験、配置、展開を禁止すべきであると提唱しました。しかし、合衆国は宇宙軍備拡大競争などの議題はジュネーブ軍縮妻で取り扱うべきだと強く反発する姿勢を示しております。292