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概要

satoh

第3回佳作は政治に直接かかわり合わないよう用心しながら、現代の問題のほうにより深く関係するであろうが、私は国連大学から、「政治家は政治学のエンジニアであるべきだ」というような思想が出てくることを望みたい。政治家であるから理想を描くのは結構である。それは工学のエンジニアが大きな発明を構想するのと同一である。今迄のエンジニアと政治家の違いは、エンジニアがあく迄、道理に忠実であったのに、政治家はそれに大した考慮を払わなかった点にあるoLかし、これではいけないのであって、時代もそれを要請していると思う。B."法による防衛論"構築に関する研究合理の展開として、いま国を護るのに、本当に軍事力が必要であるか否かの検討が、真剣になされねばならない。これは私が本小文の最初に憲法学者に尋ねたことに係るが、通常の大学などではされない研究のようであるので、平和志向の国連大学で研究していい問題だと思う。殊に、後に述べるように、この立場からの新しい提案が国連に出されることが望ましいから、尚更私は期待する.さて、これまで述べたように、各国は国連憲章をはじめとして、各種の決議に縛られているから、昔の元完のようなことも、ナチのホロコストのようなこともできない。だからもし侵略軍がくるとしても、それは「自衛のため」であるから、行動はある範囲内で、しかも余り乱暴なことはできず、それならば、理性の力が効力を発揮することができ、被侵略側も問題を論理の場に持ち込むことができる。このとき、被侵略側は圧倒的に論理的に有利であるから勝利を収めることができる。つまり、いかなる国も侵略されて敗北させられる憂から解放される-私はこう考えるが、世界平和を目的とする国連大学は、この種の法的論理構築で指導的役割を果たすべきではなかろうか。参考として以下、わが国を例にとった試論を少し詳しく述べてみたい。いま某国が全く無抵抗のわが国に侵入してきたとする。そのときわれわれは、事実を世界に直視させることができる。状態が明々白々の侵略であることを世界に報ずることがで255