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概要

satoh

力行使をする国は、いまやイスラエル以外あり得ない。然るに各国はこの種の大規模な武力攻撃に備えて、ひたすらに軍備にはげむ。これが現在の世界の実情である。3.安全保障と軍縮のために国連大学は何をなすべきかA.H科学的方法を"の研究・文化の研究前節で見たように、国連憲章としては立派なものが作られている。そしてその精神を発展させた決議が、憲章を補強する形でいくつも成立している.にもかかわらず国連は有効に機能していない。それは研究に値する理論的問題である.従ってこれこそ国連大学が追究すべき課題である、と私は思う。有効に機能してない、という意味はこうである。各国、武力不行使と民族自決という全く共通の基盤に立って出発した。その共通の基盤は無理強いされたものではなく、自ら進んで選んだものである。しかるに各国は、対立する。その対立を合理的に解消しようともしない。例えばさきにあげたイスラエルのイラク原子炉爆撃事件を例にとるなら、国連でイスラエルの非難決議はする。だが、同じ共通の地盤から出発しながら、どうしてあのような事件を引き起こすことが演鐸されるのか、といった究明には国連は向おうとしない。つまり科学的に、物事の根底に立ち戻って,その根を洗い出すという作業をしない。もしそれが確実にされるなら、非がどこにあったかが判明して、今後その種の行為はなくなるであろう。それを自衛と思っていた誤りに、自ら気がつくことでもあろう。これは武力不行使を原則とする国連憲章の精神からいって当然なすべき作業であった。国連大学はその研究として、「国際間の問題などに、真に科学的な態度を各国がとらない理由は何か」といった根本的な問題の研究から始めるとよい.この間かけは全く素人っぽく、書生論にもならないと批判されるかもしれない。しかし、それはそう考える方が間違っている。人間の問題に何か不都合がある、そのとき、その不都合を解消するために立上るのは、人間として当然の行為である。病人が苦しんでいる。そのとき駄目だと思って248