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概要

satoh

「世界の軍縮と安全保障に関して国連大学はどのような研究を行うべきか」一理論に徹せよ、人びとに知識を広めよ一同井敏1.安全保障に封する認識-その現状現在、安全保障と軍縮とに対する人びとの関心は非常に高まり、議論も活発になされているように見える。先達ての国連軍縮総会の折に催された民間レベルの集まりにも、随分の数の人びとがわが国からも参加した。しかし、だからといって、安全保障と軍縮に関する認識が根本的なところで深まっているかというと、そうではない。それは学問的レベルにおいても、-一般レベルにおいても指摘することができる。もう二年前になるが、私はさる窟法学者に「法の支配」という講演の折に質問したことがある。この演題の格調の高さが示すように、彼は非常に高名な学者である。私は次のように尋ねてみた。「法の支配というのは、いつ通用しなくなるものでしょうか。外国軍隊がやってきたら、国内法が通用しなくなるのですか。もしそうなら、その法的根拠を御教え下さい」ベルギーの憲法には「戦時または領土内で両議院が自由に集会できない事故があるときは、憲法改正に着手し、またはこれを続行することはできない」という規定がある。またフランスの憲法では「領土が侵されている場合、改正手続に着手しまたはこれを追求することはできない」となっている.こういう条項が効力を発効するためには、占領中といえども憲法は通用していなければならない。私はこういうことを頭において尋ねたのだが、その憲法学者は私の質問の意とするところが汲みとれない、というように聞き返してきたので、私は会場で再び立ち上って、質問240