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概要

satoh

第2回佳作かび上がってきたo第-に、各国経済の相互依存性および連関性が強まっているにもかかわらず、それに対処する組織が存在しないこと。第二に、主として経済学の不振のために将来あるべき姿についての地球的規模の合意が不充分であり、これが第-に問題点をさらに増幅していること。第三に、経済問題は「問題複合体」とでも呼ぶべき複雑な問題群の中に包蔵されており、問題個々-のアプローチでは解決は望めないこと、である。これらの問題点に対する第2章における分析から、国連大学の研究テーマとして以下のものがあげられる。まず第一に、相互依存性の強まった世界共同体の統治の方法に関する研究であるOこの点に関して地域経済圏の実験は注目されるべきである。理論とともに意思が強調されなくてはならない.第二に、世界共同体における新しい共通価値観に関する研究である.これは分配の問題を含み,研究は必然的に長期化しよう。世界モデル研究にもこの観点は存在するが、緊急性を伴う世界モデ}t,アプローチに長期的な問題を取りいれるには限界がある。第三に、世界的規模の戦略を発動する判断材料提供のための世界モデルアプローチによる研究である。「問題複合体」に対する方法としては有効なことが認識されつつある。これらの研究テーマを互いに開通させながら行なうことが望ましい。また、現在の危機は、人間が成熟する時に経験する動揺と同じ性質のもので、人類が大いなる転換を遂げるための困難と解するべきであり、その克服のための努力はまさに国連大学の仕事にふさわしいといえよう。187