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概要

satoh

命題に答えているといえよう。同モデルはヤン、ティンバーゲンのローマ・クラブ第2レポートとともに、良心的な経済学者の労作として評価されよう。最後に、アメリカ環境問題諮問委員会と国務省による政府の地球モデルにふれる.このモデルは他のモデルと異なりアメリカ政府自身の作業によるものである。また、個別の分野の予測の集合という方式をとっており、MITモデルの地球を単一体としてみる方式と正反対であるが、結果は同じ傾向のものとなっているOさらに報告書の付録で他のモデルとの比較がなされている。取りあげられているのはMITモデル、ラテンアメリカモデル、世界総合モデル(メサロピッチモデル)、国連モデル、農業国際関係モデル(本稿では取りあげていない)の五つである。いくつかの比較がされた後、政府の地球モデルは個別部門に関しては他のモデルより詳細な予測がなされているが、各部門の連係の弱きのために楽観的な側-の偏りをもっていると結論づけられている。すなわち,モデルの連結を切ると楽観的な結果になることがMITモデルとメサロピッチモデルの実験によって確認されたのである。複雑なメカニズムが存在する場合、世界モデルアプローチが現実に接近する点に関して有効であることの証明でもあろう。以上、世界モデルについていくつかの考察をしてきたが、いうまでもなく世界モデルも事実認識のための一方法に過ぎず当然限界もあるoLかし、このアプローチには大きな可能性があり、引き続いて研究される価値は充分あると思われる.また、こういった地球的規模の研究は民族国家の観点とは別の次元でなされるべきであり、国連大学はその役割を担うべきである。国連環境計画、世界人口会議等の一連の国際会議の方向を支持するとともに、国連大学による本格的な世界モデル研究を期待する。第3章結論と提言本稿の目的は現在の世界的経済危機に関連して国連大学の企画すべき研究について検討することであった。そこで、まず世界経済の現状について考察した結果、次の問題点が浮18占