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概要

satoh

第2回佳作が、本年10月に開催される「南北サミッI」に対L国内が不況であるにもかかわらず熱意を示している事実などは、徐々にではあるが政治レベルでも相互依存と連帯の思想が浸透しつつあることを感じさせる。話を世界モデルに戻すと、ラテンアメリカモデルは、特に価値についての考察が必要なことをあきらかにしてくれたといえよう0次にメサロピッチ・ぺスチルモデルについて考察する。同モデルはMITモデルの極端な世界の単純化による欠点を改善するべく、世界を地域分割多階層システムとしてとらえ、10の地域に分けている。すなわち、破局が訪れるとしても、それは地域ごとにさまざまな形をとるであろうということである。また、現在の危機は、人口であれエネルギーであれ、過去の危機とは異なり肯定的要素が質的に変化したものであり、単なる災害ではなく必然的なものであるとして、基本的な価値観の転換を提唱している点はMITの報告と同様である。モデル自体は、MITモデルと異なり、社会を個人階層、人ロー経済階層、技術階層に分け、人ロー経済階層ではミクロ、マクロの経済モデルを.技術階層には食糧、土地、栄養といった関係式が観み込まれるといったかなり具体的なモデルとなっている。また、個人階層の意思決定部分をモデルに組み入れる試みがなされている。モデルを用いたシナリオの分析結果は、おおむねMITモデルによるものと同様な傾向であるが、南アジアにおける食糧危機の悪化を明言している点は注目される。分析ではなく規範モデルであることを明示している前述のラテンアメリカモデルでも南アジアについては同様な結果が出ており、事態の深刻さと同時に世界モデルアプローチの特色が示されている。世界モデルに具体性と実証性を取り入れたのは、メサロピッチモデルの功績といえよう。第四に、レオンチェフによる国連モデルを取りあげる。同モデルは77年に発表された。手法としては投入-産出モデルが用いられており、従来からの分析方法によっている。対象は世界の人口、経済、環境となっており、前述のモデルと比較するとやや狭いが世界モデルとしての志向はもっているOまた「現在の国際政策の長期的意味内容をあらためて再24)検討する必要がある」として長期的分析の必要性を強調しており、ドップアーの二番目の注24)W.レオyチェフ他(大西監訳)『成長の条件一国際開発戦略のためのシナリオ』ダイヤモンド社、昭52、P.6 185